3日目 3月9日(日) 「Free day」





日程

08:00頃 起床、引きこもりの朝食
昼頃 パートナーの家族と一緒にレストランで食事&買い物
午後 デパートっぽいところでうろうろ
 (時刻は曖昧です)






引きこもり

サスカトゥーンの休日





引きこもり


8時起床。

昨夜は22時頃に寝たため、10時間も睡眠したことになる。

日曜日と言えば、深夜0時〜1時くらいに寝て10時〜11時くらいに起きることが多いので

22時に寝ればこうなるのは当然か・・・。



この日、残念ながら朝食は部屋に引きこもって食べることとなった。

気を遣われているというかなんというか・・・。

しかも好き嫌いが激しいため、食べるものに困るという予想どおりのことが起きる。

「出されたものは食べなきゃ!」という気持ちはあるが、どうしても無理な場合が多い。

結局この日はまともな朝食をとらなかったのだ。



なんだか情けない気がしてきた。

カナダに来てまで引きこもりをするなんて、これじゃあ日本にいる時と何も変わっていない。

俺の人付き合いの苦手なところは一生直らないのか・・・。

「何かしなきゃ」と思っても何もできない。

どうやら俺は一生駄目人間らしい。

あゝ、メンバーのみんなや先生方、校長先生や理事長先生

そしてメディアの前であんな大口叩いておいて、何だろうこのザマは。



引きこもり中はもちろんパソコンを使わせていただいた。

日曜日の競馬の結果が出ていると思うので、JRAのホームページを開いたところ

トップページのトピックスに驚くべき事が書いてあった。



「サンアディユの死亡について」



日本時間8日にオーシャンステークスで大きく出遅れ、殿負けしたサンアディユ。

それが日本時間9日正午頃、厩舎で突然心不全を発症し死亡したという。

この4日前にアドマイヤキッス急死のニュースが流れたばかりで

しかも前日にひどいレースをした矢先の出来事だったので

俺もものすごくショックだったし、競馬界にも大きな衝撃を与えた。

そして、その後「Yahoo!JAPAN」を開くと、なんとそのニュースがトップのトピックスに載っていて

その記事に対するコメントに腹の立つようなものが多く、文句つけてやろうかと思ったが

パートナーのパソコンをわざわざ使わせていただいているのにそんなことをしてはいけないし

このパソコンは日本語入力ができないので、我慢することにした。



日本時間9日には中山で弥生賞、中京で中京記念が行われたが

弥生賞はマイネルチャールズ、中京記念はタスカータソルテがそれぞれ勝利した。






サスカトゥーンの休日


昼、パートナーに「出かけないか?」と言われた。

「ずっと引きこもっていたい」なんて言っていても仕方がない。

家族全員で出かけるみたいで、コミュニケーションをとるチャンスかもしれない。

今日はお父さんもいるみたいだから・・・。

こうしてパートナーの家族3人と一緒に車に乗り、出発した。



まず到着したのは、アジア料理中心のレストランだった。

中国人家族と日本人だから、そっちの方が馴染みがあっていいかもしれない。

さすがに日曜日ということで、中はお客さんでいっぱいだったが

パートナーの家族が空いている席を見つけてくれて、4人はそこに座った。





3月9日に行ったレストラン。
ここで吐きそうになる程食べた。




バイキング形式なので、すぐに並んだ。

少食動物の俺は、バイキングでは少なめが基本。

インディカ米少々、パンケーキらしきもの、フレンチトーストらしきもの、フライドポテト、ベリーパイ(?)

これはもはや食事とはいわず、単なる間食だと思うが・・・。

食べる量の多いカナダの人にとっては当然「大丈夫か?」と思うような量で

というか日本人から見ても少ないと思うような量なので

パートナーやお父さん、お母さんが心配したのか、あれやこれやと食べ物を勧めてくる。

だが、朝食もまともではないが長々と食べていたこともあり、自分でとったものを入れる余裕しかない。

だから全て断ったのだが、何度も断っていくうちに「No」と答えるのがだんだん苦しくなってきた。

「何だよコイツ」とか思われているかもしれない。



この入りにくい胃袋は自分でとったものだけでも限界が迫っていた。

パンケーキの味がちょっとアレだったので、水で無理矢理流し込んでしまったからだ。

さらに、パートナーに「アイスクリーム食べない?」と言われ、さすがにこれは好物なので喜んで行ったが

ここのアイスクリームはソフトクリームのように機械を使って皿に入れるので

操作が分からないからパートナーにやってもらったところ、その量がまた多くて・・・。

既に吐きそうなぐらいの状態になっていた。

しかも、この後車に乗らなければならない。

元々一昨日の電車と飛行機の酔いが残っている上に車酔いが伴えばもう無理だ。

あゝ、もうちょっと少なくすればよかったな・・・。

食べてしまったものはどうしようもなかった。



胃袋が限界の状態でレストランを出て、車に乗った。

吐きそうだが、パートナーの車で吐くなんてことは絶対にしてはいけない。

エチケット袋やその代わりになるようなものなんて持っていないし、それどころかカバンも持って来ていない。

移動中は吐きそうになっても必死にこらえたのであった。



このまま帰宅するのであればものすごく楽なのだが、どうやら帰りそうな雰囲気ではない。

次の目的地はスーパーマーケットだった。





3月9日に行ったスーパーマーケット。



なんとか胃袋は持ちこたえ、おさまりそうなので安心。

もう何も心配することなく家族と一緒にスーパーマーケットへと突入した。

レストランにしろスーパーマーケットにしろ、日本でも滅多に行かないところだ。

店に並んでいるものをいろいろ眺めたりしながら、買い物をする家族と一緒に歩いた。

面白い商品が並んでいたり、時に日本食が並んでいたりして面白かった。

また、少しだけだが買ったものを車に入れる段階で手伝いをした。

少しぐらい役に立たないと・・・。





カナダのスーパーに並ぶ日本食。



移動中、パートナーが俺に何やら話しかけていた。

英語がよく分からなかったが、「tall」や「What's his name?」などの言葉が聞き取れて

「日本人メンバーにいる背の高い男の名前は?」と言っていることがなんとなく分かった。

我々のメンバーで背が高いと言えば、K君しか・・・いない。

(とは言っても、カナダ人高校生と日本人高校生の平均身長は違い、パートナーと奴の身長はあまり変わらない)

180cmを超えるのは・・・奴しかいないわけだから。

あとの5人は170cmあるかどうかという人や、165cmあるかどうかという人だけ。

そういえば奴は昨日パートナーと仲良くしていたし、ものすごく興味を持った存在なのだろう。

パートナーが言っている人物は奴だと断定し、奴の名前を教えた。



そして、この日の最終目的地はサスカトゥーンの街中にあるショッピングセンターみたいなところだった。

高岡で言えば、外観は違うが中の雰囲気はイオンモールと言ったところだろうか。

そんな場所をパートナーとお母さんの2人と一緒に、3人で歩いていた。

すると、パートナーがこんなことを言ってきた。



「Are those your friends?」(あれはあなたの友達?)



そう言いながらパートナーが指差す方向を見ると

なんと女子のメンバーとそのパートナーたちの軍団が。

全員いたかどうかは分からなかったが、女子はこうやって集まって休日を過ごしているのか・・・。

それにしても、確かに同じメンバーではあるが、「友達」と言われると違和感がある。

そもそも異性の友達というのはおかしいと考えているし

メンバーの女子とは今のところ誰とも仲良くない。というか誰ともろくに喋ったことがない。

だから、「友達」という言葉が少し滑稽に感じた。

もっとも、こんな心の狭いことを言っているのは日本人ぐらいだろう。

同じ日本人でもチャラチャラしたような奴等だと異性の友達なんて当たり前という考えになるらしいが・・・。

とりあえず、女子に気付かれないようにしてその場を去った。



その後、トイレに行ったりしたが、トイレを出た後に今度は男子メンバーの一部に遭遇した。

「背の高い」K君と昨日同じ車に乗った男(パートナーのいた方)と彼等のパートナー、そしてM君の5人だった。

同じ時間にこれだけの人間に遭遇するなんて、皆考えていることが一緒なんだな。

というわけでお母さんには先に帰ってもらうことにし、我々2人はしばらく彼等と共に行動することにした。

とは言っても、短時間だったが。



ここではM君らがカナダ人たちに日本語を教えている光景が見られた。

「〜すぎ」は「too 〜」と同じ意味だとかなんだとか。

例えば「暑すぎ」は「too hot」みたいな感じのことだな。

これは中学の時に習った英語だが、K君は「トゥーってそういう意味あるん?」と・・・。

しかも、こういうことを聞く時はたいてい「to」と取り違えている場合が多い。

実際、彼もそうだった。

とにかく、異文化交流が見られる光景だった。





3月9日に行ったショッピングセンター。



店を出た後彼等と別れ、バスで帰宅。

バスに乗り遅れそうになったが、パートナーがなんとか止めてくれた。

そして、乗ったところでお金を入れなければならないが・・・

金額が分からない上に、カナダドル硬貨をたくさん持っているが、どれがいくらか分からない。

とりあえず、パートナーが入れたものと同じようなものを探して入れた。

この日以来、ほぼ毎日のようにバスを利用することとなる。



家に帰ってからは、たまにはパートナーと交流しないとと思い、用意したアルバムを活用。

アルバムには自分の家や自分のパソコン、学校や高岡の名所(+五箇山)の写真があり

Yahoo!の地図を活用しながらそれをひとつひとつ説明していった。



また、この日の夜は久々の風呂に入った。

ここでは毎日風呂に入る習慣がないらしく、俺ももう2日風呂に入っていなかったからだ。

とは言っても、湯船にお湯はなく、髪や体を洗っただけだが・・・。

それだけでもものすごくスッキリした。

特に、2日洗っていない髪の毛はひどくて、それを洗うと急にやわらかくなったような感じだった。

ちなみに、カナダのバスルームはトイレや洗面所と一緒になっている。

日本でもホテルなどで見られる光景だが、一般家庭ではほとんどないだろう。





さて、明日からいよいよサスカトゥーンのW高校に通い

短期間ここの生徒として授業に参加したり、生活をしたりすることになる。

多分、いろんな出会いや交わりがあるだろう。

こうなると、楽しみな気持ちと不安な気持ちが入り交じるのは当然だ。

明日はウェルカムセレモニーが行われる。

全校生徒の前で何か一言言わなければならないらしいが・・・考えていない。

まあ、明日までに考えればなんとかなるだろう。



昨日までは22時就寝という早さだったが、この日の夜は眠れず、4時ぐらいまでの記憶がある。

持ってきたMDを聴きながら寝ようとしたが、少なくとも2枚以上は聴いただろう。

時差ボケがおさまったのならいいが・・・。

日本でも眠れない夜(sleepless night)がたまにあるから、もう体が慣れてきたということだろうか。

だが、まだ酔いだけは醒めなかった。

4日目(3月10日)に続く






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